11月に入り、猪鹿の狩猟が始まりました。
我が嫁も、今季から狩りガールとして銃猟デビューです。
日出と共に近所の里山に入ります。 里山と言っても、過疎が進む農村地域。ひとっこ一人いない廃村を目指して、朽ちた林道を歩きます。
忍足で歩き始めて30分ほどした所で、斜面から鹿の鳴き声(警戒音)を発せられ、山の気配が一気に緊張してしまいました。15分ほどその場で立ち止まり、鹿が目視できないか目を凝らします。 鹿も、遠ざからずに泣き続けていたので、小鹿かまだ若い鹿だったのかもしれません。
かなり長い時間睨めっこ状態だったので、まだチャンスはあると言い聞かせ、その場を諦め次なる獲物を探しに先に進むことにしました。
歩いて間も無く、今度は竹林の方からガサゴソ聞こえてきます。
ここでも数十分、身を潜めて様子を伺いました。 しかし姿が確認できなかったので、忍足でその場を横切ります。
目的地にしていた廃村跡地にたどり着き、ここでも別の竹林から大型の動物が朽ちた竹をかき分けて逃げていく音が聞こえていました。
廃村跡地には新鮮な鹿糞が沢山落ちていて、ツノで削られた杉の木もありました。
雄鹿の縄張りに入っているということです。 二人とも息を潜めて朽ちた林道を忍びます。
少し歩くと、朽ち果てようとする車が二台乗り捨ててありました。
その横には、古い神社の跡だろうと思われる祠が石段の上に奉られています。
数十年は管理されていない様子で、奇妙な雰囲気が漂っています。
車で来た人が神隠しにでもあったかのうようです。
歩くこと数分、尾根から何らかの気配がしたため、私は嫁から少し離れて右奥の尾根を超えて斜面を見にいくことにしました。
嫁は左サイドの斜面を見下ろしています。
私が斜面の奥の方で、餌を探している鹿を発見。おおよそ50メートル先といった所です。
木が邪魔して射線が定まりません。
なんとか射線クリアな場所を探してゴソゴソ移動していたら、
「パーーーーン!!!」
嫁が発砲しました。
!? すぐに嫁の元へ向かい、私が狙っていた鹿を撃ったのか?と聞くと、猪だと言いました。
いのしし?
右斜面の鹿では無いの?と聞き返すと、狙っていた鹿が警戒音を発しながら遠ざかって行きました。
撃った後、獲物から目を離すと逃げられちゃうよ!?と注意するも、本人曰く大丈夫とのこと。
私の少ない経験では、心臓に当たったとしても、数十秒は走って逃げられています。そこから探すのがとても大変なため、撃った後ヒョコヒョコと「撃ったぜ?」的な態度の嫁が謎でしかありませんでした。
急いで撃った猪を確認しに向かいます。
急がなくても大丈夫と言う嫁。
!? 私は一発の銃声しか聞いていません。
倒れている猪を確認してみると、大丈夫と言っていた理由がわかりました。
そんなバカな。
見事にヘッドショットでクリーンキルされていました。
「ちょっと待て」思わず心の声が口に出てしまいました。
60kgもあろうそこそこデカい猪を、狩猟初めての女の子がメチャクチャ見にくいオープンサイトでヘッドショットだと? のび太か?!
流石に脱帽です。射場で一発目と二発目をど真ん中当てただけの腕はありました。
耳の裏から目を貫通しています。この猪は、餌を探している間、何も気づかずに倒されたクリーンキル猪です。
私の中の、忍び猟技術の骨頂であろう技を初猟でやってのけました。
その後、この重さを運び出すのは無理だと判断した二人は、その場でワタ抜きをし軽くした後、一時間かけて運び出しました。
そのまま解体を行い、二夜連続BBQでお祝いしました。
運び出しが相当大変だったため、筋肉痛が二日続きました。
嫁は課題点を次回に活かそうと次の狩猟に意気込んでいます。恐るべし。
初猟前の初射撃の記事はこちら⬇︎
ちょっと、まて…「当たった!」じゃないよ!笑。ベレッタ 1200FP-12Ga. 初めての射撃