最近の夏、暑さが異常ですよね!そんな夏の暑い季節を乗り越えるには沢登りでリフレッシュするのが一番!
でも、「友達に誘われたけど自信がない…」「どこでできるの?」「1人でも大丈夫?」「何を装備したらいいの?」と考えてはいませんか?そんなあなたに、初めての沢登り、シャワークライミングに必要な道具、シャワークライミングの始め方をお伝えします!
ちょっとその前に…
沢登りは初心者1人ではできません!!物理的には可能…なのですが、1人で沢に入るのは玄人でも大変危険な行為です。必ず仲間数人で向かいましょう!何が危険かって??夏の沢や川にはカッパがよく出るのをご存知ですか?1人で水深が深い場所を泳ごうものなら…人知れずこの世からおさらばすることになるでしょう。冗談はさておき、初めての沢登りで必要な装備の紹介です。
はじめての沢登り、シャワークライミングに必要な装備
- 沢靴
- ヘルメット
- 防水ザック or 沢用ザック
- 速乾性の上下衣類(下着を含む)
- ネオプレン製衣類上下
- レッグガード(スネ当て)
- グローブ
- レインウエア
- ハーネス
- ビレイデバイス
- 環付きカラビナ数枚
- スリング数本(ダイニーマ製)
- 小物用防水ケース
- 防水カメラ(思い出に残そう!)
- ホイッスル
- 短期アウトドア保険(傷害保険)
・沢靴(さわぐつ)
沢靴とは、沢を遡るために水の中でも使える滑りにくい靴です。沢靴の中には沢タビという比較的安価な種類の沢靴が存在します。「ちょっと体験程度に…今回きりだと思う…」という方は沢タビでも構いません。始める前からガッツリ沢登りするぞ!と気合い十分なら沢靴を購入しましょう。
沢靴には「フェルトソール」「ラバーソール」という違う素材を使用した2種類の靴底が存在します。
フェルトソール
フェルトソールとは、毛を圧縮して作った分厚い生地の靴底です。初めて目にすると「なにこれ、掃除用?」なんて思ったりしてしまうような外観です。
コケが生えている場所や、ヌメヌメして滑りやすい場所ではフェルソールの滑りにくい性能が発揮されます。沢登り用の靴といえばこれでしょ!というほど沢登りではフェルトソールが選ばれています。
弱点:ソールの減りが早い、クライミング要素の高い岩登りには向いていない
ラバーソール
登山靴と同じような外観です。水場でも滑りにくい素材を使用したゴム製の靴底で、岩場を果敢に攻めるような人向けです。しっかりと踏み込んでも指先の感覚が伝わりやすく、登れない滝を迂回しても登山靴同様の性能が発揮されます。また、下山時の登山道でも登山靴と同様の使い心地で気にせず下山できます。
今では、濡れた岩でも滑りにくい新しい素材のラバーソールが続々と誕生していますが、やはり滑りにくさではフェルトには敵いません。
弱点:ヌメリやコケでコケる(滑る)
苔 | 岩 | 草付 | |
フェルトソール | ◎ | ◯ | × |
ラバーソール | × | ◎ | ◯ |
沢登り用ソックス
沢用の靴を履いていても水が冷たいと感じます。水捌けのいい生地をした沢専用厚手ソックスや、ネオプレン製のソックスを利用して靴擦れや冷えから足を守りましょう。
・ヘルメット
登山用のヘルメットを準備しましょう!もし既に登山用のヘルメットがあるのであれば、それを使用しても構いません。ただし、水を含んでも水抜けが良いか確認しておきましょう。ヘルメットサイドに通気用の穴があれば良しです。
登山用のヘルメットは基本的に軽量で、万が一の落石や転倒による衝撃から頭を守る程度の設計で作られています。登山用品店には「もはやただの発泡スチロールを削っただけでは?」と思うような奇抜なヘルメットも存在しています。
登山用ヘルメットを簡単に説明すると、
- 値段が安い=重いけど頑丈
- 値段が高い=軽いけど消耗しやすい
の傾向にあります。
色々なタイプが出ている中で、沢登りで使うには傷が数回ついても大丈夫と思えるようなヘルメットを選んでおくといいでしょう。もちろん、様々な色や形もあるので、デザインを重視して選んでも構いません。
(年に一回、ヘルメットを水洗いする目的も兼ねて沢登り!なんて人も…)
・防水ザック、沢用ザック
沢登りでは、リュックを背負ったまま泳ぐこともあります。リュックに水が入ってしまうと、重くなって水面から上がれないこともありえます。防水ザックを買ったはずなのに水が入ってる…なんてことも。
実は100%防水のリュックはこの世に存在していません。(個人的見解)
ではなぜ防水リュックって表記されているの?
通常の登山用リュックでの防水性能とは、雨の中如何に中身を濡らさずにするかという考えのもとで設計されています。沢登りでは水中にドボンですので、想定を超えた水圧や360°全方位からの浸水は想定されていません。なので必ずどこからか浸水してしまいます。
100%の防水により近づいている形はロールアップ方式の防水バックと言われています。どうしても中身を水から守りたければ、ロールアップ式の防水ザックを選びましょう。そして、ザックの中身は別の防水バックに入れて小分けしておきましょう。
また沢登りでは、どんな防水ザックでもどうしても浸水してしまうため極端に水抜けを重視した沢登用のザックも存在しています。(写真のザックはメッシュ生地)まさに逆転の発想ともいえるザックです。こちらを使うのもアリアリです。
・速乾性の衣類上下(下着を含む)
水の中に入ったり滝に打たれるため、濡れたらすぐに乾く衣類を身に纏いましょう。表面が乾いたとしても、下着は乾きにくいので下着も速乾性を選んでおくとベストです。
今や登山用の衣類は殆どが速乾性。むしろ選んではならない素材を記しておいた方が選びやすいと思います。
一度濡れると絶対に乾かない素材:綿生地(コットン素材)
コットン(綿生地)製の衣類は乾きにくい上に、水を吸って重くなる性質があるので沢登りには適しません。むしろ、水を吸って重くなった生地が体にまとわりついて危険性が増す恐れがあり、さらに低体温症を引き起こす割合も増しますので絶対に選ばないようにしましょう。
速乾性の高い化学繊維を使用した衣類を選びましょう。
Tシャツ短パンは動きやすいけどリスク大
沢登り中は、アブなどの吸血する虫が多くまとわりつくことが多々あったり、岩や枝木に足や腕を擦りむくこともあります。なるべく長袖などの肌を露出しないようにしましょう。
・ネオプレン製上下
真夏日のガンガン暑い日でも、沢登りをしたら大抵の人が寒いと言います。
特に筋肉量と基礎代謝が男性より低い女性は、保温性の高いネオプレン製の上下を準備しておきましょう。
ネオプレンとは?
スキューバダイビングやサーフィンでよく着用されているあれです。黒くて分厚い生地で水を含みますが、含まれた水が体温で温められ、体を冷やすことがなくなる生地のことです。濡れるけど暖かいという謎めいた機能を発揮します。沢用では上下セパレートなので、通常の衣類と同様に着脱しやすくなっています。また、多少の浮力を有します。
ラッシュガード
同じくラッシュガードと呼ばれる衣類も存在します。用途は上記のネオプレンと同じですが、ネオプレンよりも薄くなるので保温性が乏しいです。しかし、無いよりマシでしょう。ネオプレンは無いけど、ラッシュガードならある。という方はこちらを準備してください。
・レッグガード(すね当て)
川の中を突き進むので、見えない岩に足(特にスネ)をよくぶつけてしまいます。また岩を登る際、滑りやすいのでよく膝をついたりもします。沢登りから帰ると足が青タンだらけになっていた!という話をよく聞きます。沢登り用のネオプレン製レッグガードがあるので準備しておきましょう。膝まであるレッグガードが初心者にはオススメです。
・グローブ
素手でもいいのですが、岩や苔、泥をよく掴むのでグローブがあるとさらに怪我の危険性を減らします。濡れた岩でも滑りにくくする沢登り専用のグローブがあるのでそちらを選びましょう。軍手は冷える上、水を吸って重くなりお荷物になるのでオススメはしません。しかし、無いよりはマシといったところです。
・レインウエア
レインウエアは保温の目的で持っていきます。高山地帯の沢などではあった方がいいですが、低山でネオプレンを装備していれば無くても大丈夫です。既に登山用レインウエアを持っていて、他の保温用衣類が少ない場合はあると便利です。
風が強い日の場合、レインウエアが一番保温効果が高くなります。
・ハーネス
登山やクライミングに疎いなら、ハーネスとはなんぞや?となるでしょう。ハーネスとは、命綱と体を結びつけるための固定用具です。登山用ハーネス(アルパインハーネス)はクライミング用ハーネスより軽量化されていて男性の拳くらいの大きさに収納することができるものもあります。クライミング用ハーネスを持っている方ならそちらを使うこともできますが、濡れると強度が落ちるものが多いので使用する場合は劣化に注意してください。
沢登りには必要な装備で、もちろん登山でも使用できます。サイズがありますので、店頭でサイズ合わせをして購入しましょう。
沢登り用ハーネスという保水しにくいハーネスもあります。
・ビレイデバイス
ロープ(命綱)とハーネスを結合させ、ロープの送り出しを自在に操ることができるギアです。ビレイデバイス単体で使用することはできません。ハーネス、カラビナ、ビレイデバイスと必ず3点セットで使用するものなので全て揃えましょう。ビレイデバイスは色々な種類があります。好きな形、色から選んでもいいですが、使い方要領が若干違ってくるので購入したデバイスの使い方をしっかりと頭に入れましょう。
ATC、ビレイヤーとも呼ばれます。
・環付きカラビナ
カラビナの開閉部分が自然に開いてしまわないように、ロック機能を搭載したクライミング用カラビナです。ホームセンターに売っているカラビナはクライミング用ではないので登山用品店に置いてあるクライミング用、環付カラビナを購入してください。2枚以上必要になるので、2枚は必ず購入しておきましょう。こちらも、ブランド、メーカーによってロック方法が違うものもあります。好きな色で選んでもいいですが、ロックや開閉の方法を覚えておきましょう。使い方は一度聞くと単純明快ですので「使い方!?」と身構える必要はありません。
まず持っておくべき形のカラビナ:
- D型(Dの形をしているのでD型と呼ばれる)
- HMS型(デバイスを使用する際にコントロールしやすい、D型に似ているがD型よりも大型)
・スリング(ダイニーマ製)
スリングには長さ、太さや大きさの種類が沢山あります。まずは150、120ほどの長さで、長さ違いを2本選ぶといいでしょう。スリングは枝木に命綱用のロープを結びつけるために使用したり、あと一息で登れない人のためにお助け紐で垂らしてあげたり、負傷者を背負う際に使用したりと、色々なシーンで使用します。
スリングは主にナイロンが使用されていますが、濡れると保水しやすく劣化が早まるので、水場向けの保水しにくいダイニーマ製をオススメします。多少お値段がお高くなるので、今回きりならナイロン製のスリングでも可です。
・小物用防水ケース
先に説明した通り、いくら防水ザックだからといっても中身も防水処置をしておかないと大惨事になることでしょう。必ず小さな防水バッグを数枚準備して、持ち物全て防水バッグに分けて入れておきましょう。財布程度の濡れてもまだ大丈夫な物でしたらジップロックを使用すると良いでしょう。ザック中身の防水処置は、念を入れておきましょう。見えない隙間から漏水して中身がビッシャビシャに…全滅することもあります。
スマートフォンはもちろん、防水スマホではないなら絶対に濡らさないようにしてください。沢登りでは、スマホが水没して買い替えを余儀なくされる人が必ず出てくるほど…。
・防水カメラ
特に無くても大丈夫ですが、せっかくの沢登りを思い出に残したければ防水のカメラを持っていきましょう。もちろんスマホでも大丈夫ですが、水没しないように使用してください。(スマホ水没注意二度目!笑)
・ホイッスル
沢では3mも離れてしまうとその人が何を言っているのか分からなくなるほど水の流れる音は大きいです。穏やかな場所ならともかくロープを出したり、懸垂加工をするような場所では滝になっているので、叫び声すらもかき消されてしまいます。そんな時にホイッスルを使用します。ホイッスルを使用する前に鳴らし方で何をするかを覚えておきましょう。
1mほどの高さからの滝でも、音が掻き消されてしまいます。
・短期アウトドア保険(傷害保険)
アウトドアアクティビティーには危険がつきもの!万が一の時に準備して保険をかけておきましょう!
保険!?と身構えてしまうかもしれませんが、その日だけ500円ほどの保険料で様々な補償が適用できる傷害保険があります。具体的なご紹介は資格が必要なので、ここではアウトドア用の保険があるよ?!くらいしかお話しできません!詳しくは調べてみてください!!
以上が初めての沢登りで必要になる道具類です。
これから沢登りにハマって人を連れて行くようなレベルになれば、ロープやハンマーなどの道具類はまだまだ増えていきます。
まずは初めての沢登りを楽しみましょう!!
沢登りはどこでできる?
初心者1人で沢登りは問答無用でやってはいけません!というか、命の補償はありません。
まずは登山イベントなどを行っている登山用品店の沢登り講習会や、沢登りイベントに参加してみましょう。
また、お友達から誘われて行く場合はどんな所に行くのか、どんな技術が必要か、万が一の場合は自己責任になりますし、他の同行者の方に迷惑をかけないよう準備は万端にしておきましょう。
比較的多くの種類のアウトドアイベントを行っているモンベルさんの沢登りイベントが保険とガイド付きなので、沢登りに行ってみたい初心者の方にはこちらがオススメです。他のイベントと違うところはお店でイベントに必要な道具類を見繕ってくれるというところで、準備段階からガイドしてくれるので安心です。
沢登りイベントと検索すれば出てきます。
しかし、モンベルさんのイベントは数が少ないです。より頻繁に沢登りを楽しみたい場合、地元山岳会に参加する方法もあります。山岳会は玄人の年配の方が多く、知識も豊富で安心できますが一部では厳しいグループもあるそうですので、なかなかドアを開けにくい印象です。
しかし、そういったことが原因で山岳会の新規入会者が減少しているそうで、最近の山岳会では初心者に優しく接してくれるところが多くなったそうです。参加してみてから続けるかどうかを決めるのもありですね。
沢登りはどのようなアクティビティー?良かったら下の動画をご覧ください!装備も映像でイメージしやすいと思います!
沢登りの最新イメージ動画👇>>アキキリ谷沢登り 大分県と宮崎県の県境、祖母山シャワークライミングで夏の暑さを吹っ飛ばす!Vlog
過去の沢登イメージ動画👇>>Vlog 犬ヶ岳恐淵谷(福岡)の沢登りを動画にしてみた