晴れ女を自称しているのだが、ここ最近休みの日に限って天気が崩れる。病は気からの要領で、晴れ女じゃなくなったのかも?とは絶対に言わないが、、
この日も福岡県内で人気な沢登りのルート・金山の坊主谷に行く予定だったのだが、生憎の雨模様。内心この程度の雨であれば沢登りに行けると思っていたが、中止になってしまった。一人で沢登りをするのはリスクが高いので、登山に変更。雨なので、気軽に歩ける脊振山系の井原山をチョイスした。
井原山は年中人気な山で、特に夏はオオキツネノカミソリの群生が見られるため登山者も一際増える。開花のピークは7月中旬〜8月上旬。今はもう8月中旬なので、1,2本遅咲きの子に会えるかなという気持ちで井原山に向かった。
7:30頃、水無登山口に到着。登山口の駐車場に車を入れた途端、アブ・ブヨの大群が一気に襲って来た。窓を全開にしていたため、車の中も飛び回る虫でパニック状態。慌てて窓を閉めるが、今度は行き場を失った虫が顔の周りに纏わり付いてくる。車を大きな敵と認識しているのか外ではアブが車に体当たりして、ゴツンゴツンと大きな音を立てている。
と、そこにトンボがブヨを捕食しに来た。すると虫達も慌てて逃げ出し、次第に車の周りも静かになった。水無登山口に車で行く際は、窓を閉めてから駐車場に入ることをお勧めする。
ちょっとしたハプニングを乗り越え、8:00頃に登山開始。しかしオオキツネノカミソリの群生地を抱く今回のコースは沢沿いにあり、始終虫に纏わり付かれることになった。
オオキツネノカミソリの群生地は水無登山口から30分程歩いた所から始まる。標高650m付近から群生地が見え始めたと思ったら、沢沿いから尾根歩きへの分岐までずっとオオキツネノカミソリが生えているので、その規模は相当大きい。
さて、どれくらいのオオキツネノカミソリに会えるかな?と歩き始めて10分経った頃。深緑の中で一際目立つオレンジ色。群生地手前でポツンと咲くオオキツネノカミソリ。もう出会えてしまった。
スラっと伸びた茎から、天の恵みを浴びたオレンジ色の花が咲いている。鬱蒼とした登山道が急に明るく見えてきた。
正直なところ、一本も会えないのでは?と思っていたため、この時点で満足してしまった。降雨後で沢沿いのため湿度は高いしずっと虫が纏わり付いているし、もう帰るか、、
しかし、群生地の迫力はこんなものではなかった。1,2週間前までは花をつけていたであろう茎が、斜面一帯を埋め尽くしている。その奥行きは端まで確認出来ない。そんな群生が500m以上続いている。これが全て開花していると、それは見事なものだろう。沢山の登山者が訪れるのも納得だ。
さて、登山口から1時間ほど沢沿いを進むと、登山道は尾根へと向かうようになる。「井原山 30分」の看板があり、ここからが登りの本番だ。
木の根や岩が大きな段差を作り出している急坂で、所々フィックスロープが設置されている。粘土質な足元も加わり、下りはロープのお世話になることもあるだろう。
急登が終わると、井原山山頂までの最後の10分は笹のトンネルを抜ける。時期にも依るだろうが、ここは常に中腰だ。
笹のトンネルを抜けると急に風が強まり、すぐに山頂に到着。標高982m。天気が良ければ玄界灘が見渡すことができ、非常に景色が良い。しかし今日は生憎のガスで真っ白。
山頂はそこまで広くないが、平坦で過ごしやすい。木や屋根は無いので、風雨を遮るものはない。幸い雨は降っていないので、お湯を沸かしてインスタントのミルクティーで休憩を取る。
展望は良くないが、風が急登で疲れた身体を冷やしてくれて心地良い。今日は普段持参しない替えのTシャツを持ってきて正解だった。汗で濡れたままのTシャツを着ていたら、忽ち汗冷えを起こしていただろう。
今日は土曜日だがお盆初日のためか登山者はほとんどおらず、山頂で2組と出会っただけだ。まぁこんな天気の悪い日に山に登る方が少数派か、、
山頂で休憩を取って30分ほど経った頃、ガスが濃くなり始めた。雨に降られる前にと、来た道を下る。途中、やはりフィックスロープを1,2度使った。
普段はピストンコースの登山を嫌うのだが、今回ばかりは話は別だ。最後までオオキツネノカミソリを楽しませてくれる、素晴らしい登山道だった。
井原山は分県ガイドに収録されています。
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