> BLOG > Camping > 北アルプス裏銀座縦走テント泊の旅。新穂高ー双六岳ー鷲羽岳ー水晶岳ー野口五郎岳ー烏帽子岳ー高瀬ダム 
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5日間の裏銀座縦走計画を実行するときがやってきました!新穂高から鏡平を経由し双六小屋テント場ー黒部五郎岳ー鷲羽岳経由で雲ノ平ー水晶岳経由で野口五郎岳ー烏帽子岳の5日間の行程で、別の目的(プロジェクト)も併せての登山計画です。

裏銀座とは、高瀬ダムから水晶岳ー双六岳ー槍ヶ岳ー上高地と連なる山々を歩く縦走コースですが、我々は新穂高から入り高瀬ダムへ下山するルートで計画を練りました(主に嫁が)。

↓この山行記録内にある、槍ヶ岳からの下山時に見えた裏銀座がきっかけとなった登山計画です。

ジャンダルム攻略、北アルプス縦走 西穂高岳ー槍ヶ岳までの上級者ルート、危険地帯縦走

深夜乗り込んだ長距離バスが新穂高ロープウエイ駅に到着、やっぱりアルプスの気候は一味違う!下界の蒸し暑さとは違いおおよそ17度、Tシャツ短パンでは結構肌寒いです!少し動けば良い具合の気温、いざ入山します!!

入山初日はピーカンで登山日和!鏡平小屋まで急な石段と登りが続きます。

好天はいいのだけれど、まだ標高が低いですし、ギラギラ日照りのおかげで汗が吹き出します。途中のわさび平小屋で休憩、とても良い雰囲気です。

途中の秩父沢の雪解け水で熱った体を冷やします。キンキンに冷えた沢水が最高に気持ちいい!

道中は嫁のハイドレーションから水漏れ、ザック内がびしょ濡れになるトラブルがあったりしましたが、そうこうしているうちにやっとの思いで鏡平に到着。ザック内のびしょ濡れも忘れ飛ばしてくれるほど絶景の穂高連峰が出迎えてくれました!穂高連峰の上空には白い雲の山脈をかぶっていて絶景です!

鏡平小屋に到着すると大勢の登山客がかき氷を食べているではありませんか。重い装備を強い日差しのなか担ぎ上げた贅沢なご褒美として2人でシェアしながら食べました。かき氷の待ち番号は200番!既に200人以上がかき氷をオーダーしたのでしょうか!?笑

氷もサラサラで雪のような舌触り、甘いシロップとラムネアイスのシュワシュワ感が熱った体全身に染み込みます。最高ですね!山の上でこんな高級なかき氷が食べれるなんて…ん〜!たまりません!

最高のひとときを過ごし、残す行程に戻ります。初日最後の急登です。

小屋を出て数十分、見覚えのある人が下山しているではありませんか?思い切って名前を呼んでみると前職の仕事仲間でした!なんという偶然!!

前職では入社当初から顔見知りになり、年に数回程度しか話すこともありませんでしたが私のことを覚えていてくれたようです。彼もまた半年前に退職したようで、なんという巡り合わせでしょう!前職が登山関連なだけあって、アルプスに来れば誰かしら知人に会うことは珍しくありません。しかし、実際に出会うとビックリ、ちょっとした感動の再会です。w

久しぶりに再会できて本当に嬉しかったです。

感動の余韻に浸りながら登っていると弓折乗越に到着。なんだか雲行きが怪しくなっています。

あれほど青青としていた空もどんよりとした厚い雲に覆われています。

弓折乗越を超えたころには、足がふらふらです。運動不足が現れています。

もう体力の限界か?というところで双六小屋テント場が見えてきました。

やっとの思いでテント場に到着。ゆっくり過ごそうかと思いきや、山岳ヘリが好天のチャンスを逃すものかと言わんばかりの勢いで何往復も物資を運んでいます。双六小屋前に新しい小屋を建築中の様子です。

双六小屋テント場の上空をヘリが数分おきに飛来して静かなひとときどころではありませんでした。笑

風もどんどん強くなっていくにつれヘリは今日の物資輸送を終えたようです。テントが風でバタバタと打たれながらも早い晩御飯を食べます。空はどんよりとした暑い雲に覆われ、雨も振り出しそうな天気に変わっていました。さっきまでの青々とした空はどこいった!?

晩御飯を食べた後は横になっていましたが、久しぶりの運動だったせいか15時を境に午前3時ごろまでの記憶が有りません。

すごい風の音で目が覚めると、あたりはまだ暗い様子。ぼちぼちテントから人が出てくる音が聞こえてきます。

しかし、すごく強い風です。薄明るくなってきた頃合いでテントが飛ばされないよう撤収します。

あたりがうす明るくなってきましたが強風にガス。そして気温は10度と肌寒く、寒さで剃りたての頭がキーンと響きます。

朝日がかろうじて雲の間から顔を出してくれましたが、太陽を拝めたのも一瞬の出来事でした。

日の出を写真に収めたところで、いざ双六岳に向け出発です。

開始早々、ガスと横殴りの強風に体温が奪われていきます。山頂近くになってくると雨も混じってきました。

雨混じりの横殴りの強風を避ける場所はほとんどなく、のっぺりとした山肌を風に飛ばされないよう足早に歩きます。

双六岳山頂到着。地図には「槍ヶ岳穂高連峰の景観が絶景」と記してありますが、360度何も見えません。強風を凌ぐ岩も小さく、足早に去ろうとしていると飄々と歩く大きなザックを担いだ1人の女性が山頂に。

目的地は一緒のようで一緒に歩こうとも思いましたが、この悪天にもかかわらず飄々としている様子にただならぬ空気(鬼体力保持者の空気)を感じ、少し間を開けて先に山頂を後にしました。

双六岳からの下山中は風が吹き付けている側面とは逆の山肌だったので、なんとか風を凌ぎながら下山することができました。

風を凌ぐと安心したせいかお腹がへってきます。朝食休憩をとり三俣山壮を目指します。

先程双六岳山頂で出会った女性は、道中出会った別の女性と2人で歩いている様子でした。朝食中の我々を追い抜いた後はとてつもなく速いペースで三俣山荘に到着していました。

三俣山荘で先程の鬼体力女性二人組から天候等の情報交換を行います。

うすうす悪天のことは知って三俣山荘まで来ましたが、やはり最後の二日間はかなり荒れるようです。

せっかくの計画も天気が悪ければ変更しなければなりません…今回の山行は4泊5日の予定でしたが、行程最後の2日間に悪天の予報が出たため3泊4日の山行に変更となりました。

エスケープルートBプランへ変更です。

正直この時点で私は悪天での体力消耗と急なスケジュール変更で全く頭が回らず冷静に判断ができない状態でしたが、鷲羽岳の急登を登ることは避けようとしていました。

嫁も、鷲羽岳はパスして黒部川源流地点を見に行く予定を考えていたようです。

三俣山荘で行程の変更を考えていると先程の鬼体力女性から鷲羽岳行かないの?と一言…

鷲羽岳も雲の中。その場にいた別の男性からも「えぇ?この天気の中鷲羽行くの?」と安心させてくれるような一言を貰えましたが、その数分後、その場にいた全員が鷲羽の急登に取り付いていました。

…どうしてこうなった。笑

鬼体力の飄々とした女性が恐ろしい。彼女らよりも少し早めに出たはずなのに、すごい勢いで急登を登っています。なぜか煽られている心境です。なぜでしょう、別に気にする必要はなく自分のペースを守っていればいいはずなのですが、ひどく煽られているような心境で鷲羽岳の急登を熊から逃げるかの如く登っていました。

視界5m。景色もへったくれもありません。登っている途中にちょろっと雲が切れるくらいの景色しか楽しむものはありません。ただただ下を向いて急なザレ場ガレ場を登ります。我々の少し先に出た男性も追い付かれないようにと頑張っているのか、全然追いつくことができません。三俣山荘でのぼらない方向の話をしていたのに…なぜ前にいるのでしょう…笑

人間っていうのは嘘の塊ですねぇ。笑

鷲羽岳山頂に着いたはいいものの、景観0に強い雨風。1分もしないうちに山頂を後にしました。

ワリモ岳山頂付近に雷鳥の親子がピヨピヨしています。唯一の癒し時間です。

ワリモ岳から下山、分かれ道道標で先を歩いていた男性が座り込んでいます。「鷲羽の急登りキツかったねぇー!」と三人で座り込んで話ますが、なぜこんなにも悪天候のなか鷲羽岳に登ったのでしょう。

「そこに山があるから登るんだ!」と…うん、かっこよく言いたいですね。

クタクタになった体と悪天を理由に予定していた雲ノ平キャンプ場を諦め、水晶小屋を目指すことにしました。

結果は体力面や天気予報の理由からベストな判断だったのかもしれませんが、登山家スパルタ星人やストイックマンからしたら失格ですね。笑

水晶小屋に到着、小さな小屋はまだ新築かのような内装でしたが、収容人数が少ないため宿泊客で鮨詰め状態です。

嫁は荷物をデポして水晶岳へピークハントです。さすが鬼体力嫁!!先程出会った鬼体力の女性1人と合流している様子です。

私は小屋にステイ。別の目的で山に入ったと言っていた例のプロジェクトを実行しつつ、ゴロゴロと過ごすことにしました。

怠惰な旦那です!

3日目の朝、綺麗な朝日が登ってきます。天気もゆっくりと回復している様子。長い時間をかけて雲が山肌から消えていますが、風が強いせいか山の頂から雲がSLかの如く湧き出ています。二日目のように思わせぶりな天気でないことを祈ります。

無事にゆっくりと雲が消えていき、強く風が吹き上げる稜線歩きも絶景の景観を眺めながら歩くことができたので、疲労を感じることはありませんでした。

昨日ガスガスの中登った鷲羽岳もゆっくり雲が祓われていきます。雲がない北アルプスの山々の景観は本当に絶景です。

これを見るためだけにここにくる価値は十分あります。

「2日目は雨だったけど、1日目と3日目に晴れてくれたので満足できたね!やっぱり山登りはアルプスに限るね!長野に引っ越したいね!」などと嫁と話しながら歩いていると真砂岳に到着。

槍ヶ岳の壮大な景観と、近づいてくる立山連峰に挟まれた最高の景色を堪能します。

この景色が永遠に続いてほしいと空を見上げていると、雲の動きが1日目に見た状況と同じ動きをしているのを察知しました。2人して天気の変化を予知し、野口五郎岳へ足早に歩きます。

山頂到着、今朝出発した水晶小屋がちんまりと小さくなっていました。かろうじて見える双六小屋も遠い果てにあります。

野口五郎小屋で少し休憩をとり、最後の稜線歩きを楽しみます。野口五郎小屋は雰囲気がとても良い感じでした。

三ツ岳に着いた頃には小雨が降っていました。立山の方は快晴、槍ヶ岳方面はどんよりとした厚い雲が覆っています。三ツ岳が最後の稜線です。三ツ岳からは森林限界まで標高を一気に下げ烏帽子小屋キャンプ場まで降ることになりますが、まだまだ立山まで歩いて行きたい気分で、この絶景の稜線歩きからなかなか離れられません。

仕方なく心に決めて一気に森林限界まで下ると、蒸し蒸しとした生ぬるい空気に包まれてきます。

「あぁ゛〜下界やぁ〜OMG〜」と子供のように2人嘆きながら烏帽子小屋を目指しました。

烏帽子小屋キャンプ場に着いたら、早速荷物をデポして烏帽子岳へ向かいます。

地図には何も表記されていない山でしたが、カニの横ばいのような岩場をトラバースする場所があったり、山頂てっぺんには謎の鎖が続いていて、上ると死後の世界の入り口ですか?と言わんばかりの高度感が楽しめる岩場でした。

高所恐怖症ではないハズなのに足がすくみます。隠れた岩場名山でした。

キャンプ場に戻った頃はまだ晴れていましたが、日が暮れる前に雨になりました。雨が降ったり晴れたり忙しい天気です。

本降りになる前に夕食を済ませます。1日短縮された行程なので、食料がたくさん残っています。2人で飯の譲り合い。

お腹いっぱいに食べた後は薄暗くなった頃に眠りにつきます。

早朝、強い雨音です。

テントの側面が濡れて冷たく、寝袋も少し湿ってきています。幸いにも夜が明けると同時に雨が止み、楽にテントを撤収することができました。テント場から見える尾根は強風に煽られている様子が伺えます。

さて、ラストの行程は北アルプス3大急登の下山です。

天気はガスガス、何も見え無い中とてつもなく急な登山道を下山し始めます。

さすが3大急登!足腰がガクブル!登山道にある1〜12のプレートをカウントダウンしながら下山を続けます。

おそらく雲を下に抜けたあたりから雨粒が大きくなり、本降りの中下ることになりました。森林の中なので、稜線ほど雨に打たれることはなく下山できましたが、蒸し蒸しと湿度も上がって快適とは言えません。

足の関節や筋肉がプルプルしています。他の下山者と競うように駆け下ります。3時間ばかり我慢したところで、ようやく急登起点に到着。うまそうな沢の水が出迎えてくれました! もちろん、帰宅後の炊飯用に沢の水を満タンで回収!北アルプスの沢水で炊く米は、たまらない御馳走です!!

たんまりと沢水を回収した後は吊り橋、長いトンネルを越えて高瀬ダムに到着です。

ここでは雨足も強く、完全に雨です。高瀬ダムの公衆電話では先に下山した人ら4,5人がタクシーを待っています。

我々も冷えた体を温泉で癒したいという欲求に逆らえず、タクシーを呼びます。

ちょうどこの日は9月1日、この日から高瀬ダムに工事のためダンプが入っています。ダンプが作業道に入っている間はタクシーが入って来れません。タクシーを待つ時間が30−40分ほどかかってしまいました。

無事下山。高瀬ダム作業道入り口ゲート前の温泉でひと汗流して生き返ります。

やっぱり山と温泉は付き物ですね、温泉がないと登山したくないです。

最高の状態で信濃大町駅に到着、帰路につくはずでしたがトラブルです。

松本から名古屋までの特急電車が先日の豪雨の影響で線路が崩れ、電車が運休していました。(9月3日から運行再開)

急遽、松本から高速バスに乗り名古屋を目指し無事に帰宅することができました。

久しぶりの北アルプス山行は2年前の上高地ー西穂ージャンダルムー奥穂ー槍ヶ岳ー新穂高間の縦走以来。

体力不足が心配でしたがなんとか歩くことができたので、大変満足です。

今回の山行記録がこちら⬇︎

最後の下山時のグラフが崖になっています。笑

あの景観に取り憑かれると来月も紅葉に合わせてまた行きたくなりますねぇ。


登山中はログや登山地図が見れるYAMAPという登山用GPSアプリを使用しています。

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