> BLOG > Trekking > 厳冬期 の 荒島岳 に登ってみた 日本百名山 福井県荒島岳 ホワイトアウト 冬山登山
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荒島岳は福井県越前大野市に位置している日本100名山の一つ。

標高1,523m 百名山なだけあり厳冬期にも人気がある通年登山客で賑わっている山です。

ということで、ドカ雪がついた新年明けの1月上旬。

厳冬期、特に人気のある荒島岳に行って来ました!

天気は曇り。山は雲に覆われていて様子が伺えません。

何も見えん!

登山口からノートレース!登山開始です!

登山者は我々を含め4名、皆ほぼ同時刻でアタック開始!

新雪ぱふぱふサイコー!

アイゼン無しで登っていましたが、緩やかな登りから急な登りになって来たのでアイゼンを装着。

雪が締まっていたのでワカンまでは装着しませんでした。

スキー場の跡地終盤は急な斜面が続き小休止を沢山取りながら登っていきます。

樹林帯に入っては途中追い抜かれた先行者一人のトレースが頼りです。

永遠と樹林帯の中をひたすら登っていくと、風が強くなって来ました。

周りの木々を見てみると、風が一定の方向から抜ける尾根道の様です。

尾根道の木々がゴジラの背鰭の様になっている様は風の強い地帯だと伝えてくれます。

背鰭のようじゃ

ずっと右から打ち付ける雪と風に右目が凍りついて瞬きができないほど瞼がくっ付いてきました。

終わりの見えないパフパフ急斜面を登り続けること2時間半。

ようやくシャクナゲ平に到着です。

ここまでトレースを付けてくれた先行者がお昼休憩を取っています。

「ここから先は行ってないよ」と先行者はシャクナゲ平で折り返す様です。

我々も小休止をとり、ラッセルを覚悟して山頂を目指します。

温度計はマイナス8度くらいです。

トレースも全くない新雪のラッセル!

「気持ちいいー!」相方が叫びながらルートファインディングしています。

雪が深く前日のトレースが全くありません。

そして立ちはだかる急斜面。

どこをどう登ろうか・・・

ガスっていて分かりにくい左側は落ちたら止まりそうもない崖。

とにかくオバケみたいな樹氷を掻い潜りながら登ることにします。

しかし雪が深すぎたためワカン装着です。

ストック横にして使いせっせと登りますが、しんどい!

もし落ちても樹氷に引っかかったりできるようなルート取りで上がっていきます。

木々も少なくなり、ガスと風も強くなってきます。

こ、これは山頂までは無理そうです。

横ではなく、下から叩きつける雪風。

景色は雪の砂漠で、これはこれで美しい。

でも見惚れているとそのまま死んでしまうそんな恐怖を纏った世界の中をゆっくりと歩いています。

のっぺりとした急な丘に滑落すれば止まらないくらい締まった雪、ピーク間近でしょうか。

もう折り返した方がいいのでは??という感情が強くなってきたところで前荒島岳に到着です。

ここまでのペースをヤマップで確認。

下山の時間を考えれば、もう少し攻めることができます。

ワイ「も、もうここまででいいんじゃないかな!?」

と相方に問いかけるも、嫁は中荒島まで行けそう!と返答。

強すぎる・・・

天気の状況から、この時点で荒島岳山頂までは無理だと判断しましたが、

中荒島までアタックです!

ガスの中でかろうじて見える左側はおそらく雪庇。

雪庇から十分距離を取って雪に埋まっている木々を目印に登っていきます。

凍りついたカチカチのグローブ。ストックのグリップには氷が張り付いていて、ゴーグルをした方がいい状況。

しかし、雪風が吹きつけ続ける状況から、ゴーグルをザックから取り出す暇も与えてくれません。

細かい状況判断ではあまりよくありませんね。

反省です。樹氷で風を防げるポケットに入りゴーグルを装着すべきでした。

そして、今回最も失敗したのが行動食が少なかったこと。

いつも忘れずに持っていくキャラメルを忘れてしまった!!大ピンチです!

普段食べ物だけはたんまりと持っていく我々ですが、いつも量が多いので少なめにしていたことが裏目になりました。

ラッセル続きでシャリバテ寸前です。

足取りが重い!外はこんなにも吹雪いて寒いはずなのに、体は灼熱です。

かろうじてわかる山と空の境界線を目指して急斜面を上り詰めると中荒島岳に到達しました。

なにこれw

な、ナンジャコリャー!!

中荒島岳の道標がこの厳しい環境を物語っています。

さて私は見事にシャリバテ。道標の風下でオニギリを頬張ります。

雪のふりかけにシャーベット米。噛めばシャリシャリと初めて経験するオニギリでした。

無理やり口に頬張っていると相方が「やばい低体温症になってきた!!」と叫びます。

「よっしゃ!下山!」と残りのオニギリを無理やり口に詰め込み退路へ!

「え!?そっちじゃないよ!!!」

叫んでも強風でかき消される声。相方は退路をロストしていて荒島岳山頂方面へ歩いています。

「マジか!?」心の声が叫び声になっていました。

(今考えれば本気で山頂を目指していたのかもしれません。)

さて退路を発見し下っていきますが、登ってきたトレースは吹雪のせいで消えています。

急斜面の下山。登るよりは早い足取りですが、滑ると滑落。

十分注意しなが中荒島岳直下の急斜面を下っていきます。

尾根の樹氷を目印に下山していましたが、ルートから外れているような気がしています。

右側の雪庇を避け、なるべく樹氷に絡まるような場所を歩いていたため、ルートから外していたようです。登山ルートから10mほど左側を歩いていました。

右へ転回、かろうじて残っていた我々のトレースに無事合流。

風の吹き付ける吹ざらしの尾根からようやく抜けることができました。

風が弱い場所ではトレースが残っています。

無事シャクナゲ平に帰還です。

雪中キャンプをすると言っていた若い男性のテントが立っていました。

明日は晴れ予報。最高のピーカン荒島岳をラッセルで歩ける未来が彼を待っています。

そして彼が第一発見者にならず、よかったなと安堵しました。笑

昼食を取って下山開始です。

樹林帯ですが吹雪いていたため、先に下山した男性のトレースは既にありません。

下山がとても長く感じ、こんなところ登ってたんやと少しガスが晴れた景色に感動しつつ、ロストしないように気を遣いながら下山します。

GPSで所々確認しながら歩くこと1時間半。

開けたスキー場跡地まで戻ってきた時の安心感、そして気温がどんどん上がっていくので雪の状態もツボ足では辛くなってきます。

最後のスキー場跡地を下山する体感時間がとても長く感じました。

無事下山。

ただいま、くたくた

荒島岳山頂は踏めなかったけど、厳しすぎる環境下で下した判断、ルートファインディング、ラッセル、状況判断を絶えず行って中荒島岳を踏めた達成感に満足感は最高のものでした。

まさに雪山遭難ドキュメンタリーの再現映像を再現したかの様な山行、雪山訓練です。

もちろん次の日のピーカン絶景荒島に向かった人たちのヤマップ投稿写真を見て叫び泣いた相方。

その絶景にも引けを取らない満足感、達成感を味わえる山行でした。

相方のYAMAP山行記録>>YAMAP<<
>>その他の登山ブログはこちら<<

使用した雪山装備

忘れて後悔したもの・・・

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